オプション治療を倫理審査にかけます。
当院は軽症症例が多いのですが、症例拡大が考えられるので事前に倫理審査をかけようと思います。
ただし、適応外使用に過大な期待はできません。慎重に慎重に用いなければなりません。
JAMAからも適応外使用の注意喚起が出ています。
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2763802?resultClick=1
(案)
今後、当院におけるCOVID-19症例の増加を想定し、治療オプションを増やす目的として下記治療レジメに対する適応外使用に関する倫理審査を希望する。
なお、現状ではCOVID-19 に対して適応がある治療薬がない。
また、入手困難な治療薬も含めている。
連結不可能匿名化し、使用経験を論文や関連学会に報告する。
- ヒドロキシクロロキン + アジスロマイシン (抗マラリア薬 + 抗菌薬)
ヒドロキシクロロキン 200 mg を1日3回 10日間
細菌性肺炎の予防としてアジスロマイシン 500 mg1日目、250 mg を4日間
日本感染症学会におけるCOVID-19症例報告 : あり
UpToDate : あり
サンフォードガイド : あり
- カレトラ (抗HIV薬)
カレトラ 2 錠を1日2回 10日間
主な副作用 : 異常便(腸運動)、下痢、疲労感、頭痛、吐き気
日本感染症学会におけるCOVID-19症例報告 : あり
UpToDate : あり
サンフォードガイド : あり
補足 : 199症例RCTにて有意差示さず (NEJM. March 18, 2020)
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2001282
- アビガン
3,600 mg (1,800 mgを1日2回) (Day 1) + 1,600 mg (800 mg1日2回) (Day 2 以降)、最長
14 日間投与。
適応 : 新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症 (但 し,他の抗インフルエンザウイルス薬が無効又は効果不十分なものに限る。
催奇形性 : 動物実験において、本剤は初期胚の致死及び催奇形性が確認されていることから、 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。投与終了後7日間は避妊すること。
日本感染症学会 : COVID-19に対する抗ウイルス薬による治療の考え方 第1版
UpToDate : なし
サンフォードガイド : なし
- オルベスコ (吸入ステロイド治療薬)
オルベスコ吸入薬 1日2回
日本感染症学会におけるCOVID-19症例報告 : あり
UpToDate : なし
サンフォードガイド : なし
リバビリン600mg /日内服とインターフェロンα-2b 80μgの週一回皮下注射
日本感染症学会におけるCOVID-19症例報告 : あり
UpToDate : なし
サンフォードガイド : なし
- ゾフルーザ (抗インフルエンザ薬)
ゾフルーザ錠を1回投与
日本感染症学会におけるCOVID-19症例報告 : あり
UpToDate : なし
サンフォードガイド : なし
- ラピアクア (抗インフルエンザ薬)
ラピアクタ600mgを1から5日間投与
日本感染症学会におけるCOVID-19症例報告 : あり
UpToDate : なし
サンフォードガイド : なし
- アクテムラ (抗リウマチ薬)
体重30kg以上は1回8mg/kg、体重30kg未満は1回12mg/kgを点滴静注、2から4週ごと
主な副作用 : 注射部位反応、上気道感染、肺炎、蜂巣炎、胃腸炎、皮膚感染、紅斑、腟感染、膀胱炎、帯状疱疹、腹痛。
日本感染症学会におけるCOVID-19症例報告 : なし
UpToDate : あり
サンフォードガイド : なし
参考資料
サンフォードガイド : https://www.sanfordguide.com (アクセス日 : 2020年3月30日)
UpToDate : (アクセス日 : 2020年3月30日)
日本感染症学会ホームページ : http://www.kansensho.or.jp (アクセス日 : 2020年3月30日)
日本感染症学会 : COVID-19に対する抗ウイルス薬による治療の考え方 第1版