感想をちょこっと記載します。
Oral Antibiotic Therapy for Bone and Joint Infections: Challenging an Intravenous Dogma https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMoa1710926
OVIVA試験
このランダム化比較試験では、経口抗菌薬療法は静脈内療法よりも劣っていませんでした。
ただし、経口投与剤はキノロンが多く使われており、心がざわざわ。
素晴らしい研究ですが、経口スイッチは経験と勇気の蓄積が必要なので、普及には時間かかりそうですね。
Early Switch to Oral Treatment of Endocarditis: No Delayed Treatment Failure https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMc1902096
POET研究
安定した心内膜炎患者での静脈治療から早期経口治療への切り替えは、3.5年の追跡期間中の治療失敗の遅延と関連していませんでした。
安定している心内膜炎に対して長期抗菌薬静脈治療は、患者さんにとっても退屈でしたので、こちらは、かなり早く普及しそう。
Adverse Effects of Fluoroquinolones: Where Do We Stand?https://www.fda.gov/drugs/drug-safety-and-availability/fda-warns-about-increased-risk-ruptures-or-tears-aorta-blood-vessel-fluoroquinolone-antibiotics
キノロン。筋肉、血糖に続き、大動脈破裂の警告
キノロン使用による大動脈破裂リスクは、10,000治療コースあたり約1〜2症例と報告されています。少ないのか多いのかは判断難しいですが、他の選択肢あればキノロン使用をできるだけ避けたいですね。
Baloxavir Marboxil (Xofluza), a New Anti-Influenza Drug https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMoa1716197
インフルエンザに対する新薬ができたことは素晴らしいです。インフルエンザは度々、人類の脅威になります。
しかし、どんどん使えプロモーションにより耐性が広がってきているのは残念です。人類を救うキードラックの一つを、アマンタジンのような過去にしてはいけません。
HIV Transmission Risk Through Condomless Sex Among Serodiscordant MSM https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(19)30418-0/fulltext
HIV陽性のパートナーがARTでウイルス抑制されている場合、HIV感染のリスクはゼロというのは凄いですよね。 今後もこの栄光は続くのか?注意が必要ですよね。
Weight Gain After Initiation of Antiretroviral Therapy https://academic.oup.com/cid/advance-article/doi/10.1093/cid/ciz999/5586728
bictegravir, dolutegravir, tenofovir alafenamide,は古い薬剤よりも体重増加に関連していた。10%以上の体重増加も13%の患者で見られた。
不気味な副作用。体重増加に関する有害事象を振り返るきっかけになりました。
Is PrEP Associated with Higher Incidence of Sexually Transmitted Infections? https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2730113
PrEPの予防効果が素晴らしいのですが、STIが増える現状。
確かになって思います。教育が難しいなら、PrEPの患者さんを片っ端からスクリーニングしていけばとの意見は、苦しくも同意してしまいます。
Drug Use–Associated Endocarditis on the Rise https://annals.org/aim/article-abstract/2717120/trends-drug-use-associated-infective-endocarditis-heart-valve-surgery-2007?doi=10.7326%2fM18-2124
過去20年間における米国のオピオイド薬物乱用と、薬物使用関連感染性心内膜炎(DUA-IE)の発生率も上昇。日本では関連ないことを願っています。
Recombinant Zoster Vaccine Effective After Autologous Stem Cell Transplant https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2737683
高リスク免疫抑制群において、帯状疱疹感染の発生率は、プラセボと比較したアジュバント化組換え帯状疱疹ワクチンで有意に減少しました。
ワクチン接種は強く推奨です。
Measles Virus Infection Negatively Affects Host Immune Status
https://science.sciencemag.org/content/366/6465/599
麻疹感染が、リンパ球減少症に加えて、抗体レパートリーの多様性と抗体相対力価の長期的な減少を引き起こし、リンパ球増殖を抑制し、免疫記憶を減少させることを示唆しているとの報告。
麻疹ワクチン重要性が強調された、極めて貴重な報告。