某有名がん専門病院で、irAE 神経内科領域の勉強会に参加
勉強会の内容をメモ。
重篤 : 脳血管障害、重症筋無力症など
非重篤 : 末梢神経障害、味覚障害、頭痛など
画像や血液検査で異常がないことが多い。
irAE 神経内科領域の割合
PMID: 28064139
自己免疫性脳炎のJAMA報告例
PMID: 27271951
irAEではないが、anti-NMDAR encephalitis
エクソシストのモデルと言われている。
統合失調様症状で急性発症し、意識障害など、痙攣も発症する。
PMID: 18032452
Guillain-Barré syndrome : GBS
- GBSとは、自己免疫性末梢神経障害の一つで、急性型(極値まで4週間以内)
- 髄液検査:タンパク増加は1-2週間後、初期は正常値
- 進行性であり、免疫グロブリンによる早期治療が必要である。
- 一般的に、ステロイドによる治療は無効。ただし、irAEは有効と考えられている。
PMID: 27380808
PMID: 21357649
筋無力症 MG
- MGに加えて、CK5000以上の高値で、心筋炎を合併することも
- 目が開かない。NPPVも行なっている。ステロイド治療を行う。
- 易疲労性と筋力低下の日内変動が特徴である。
- 20%が眼の症状だけ、80%が全身。しかし、眼筋型が軽症ではない。
- 頻度 : Nivo単独のMG頻度 0.12% (12/9869)
nivoMG
n=12
57-81歳
1w : 4名
2w : 5名
3w : 2名
4w : 1名
平均29日
nivoMG 2/3が重症
iMF(control) 1/4が重症
nivoMGは顔面、嚥下、呼吸困難などが有意に多い
抗AChRにおいて、nivoMGは低め(陽性であるが)
nivoMGは、筋炎・心筋炎を合併することが多いと考えられている。
- 軽症 nivo stopで2-3w改善
- 重症 4-8wで徐々に改善。しかし、PSの完全なる改善は難しいか?
irAE 心筋炎 NEJM 報告
PMID: 27806233
心筋炎
初期対応
- MG疑ったら、日内変動の確認
- 採血でck, 抗Ach(1週間かかる)待てないので疑ったら早期にコンサル
- クリーゼの危険は、血液ガスを確認、重炭酸濃度の上昇に注意
- ステロイドパルス療法は初期増悪の可能性がある。現状では、免疫グロヴェリンを優先すべきだろう。
まとめ
- irAEの神経疾患は多岐にわたり、特別な臨床像を生じる。