Journal Club
毎週水曜日 呼吸器内科・代謝内科・専門看護師のみなさまと開催
・この論文を取り上げた理由
PD-1は、20年に1度のパラダイムシフト薬であり、当院においてもレジメン選択に困る尿路上皮癌に対する論文であったため。標準はGC療法だが、腎機能低下患者に対してはDTXくらいしか選択肢がなかった。
NEJM 2017;376:1015-26.
http://www.nejm.org/doi/pdf/10.1056/NEJMoa1613683
Pembrolizumab as Second-Line Therapy for Advanced
Urothelial Carcinoma
P : プラチナ化学療法後に再発または進行が認められた尿路上皮癌542例
E : ペンブロリズマブ 270
200mg every 3weeks
C : Chemo Day 1 Q3W 272
paclitaxel 175 mg/m^2 IV, 84
docetaxel 75 mg/m^2 IV, 84
vinflunine 320 mg/m^2 IV, 87
ビンカアルカロイド系微小管重合阻害薬
O : ペンブロリズマブ治療を受けることで生存期間が7.4ヵ月から10.3ヵ月に延長(p=0.002)。
・PD-L1発現率が10%以上の人では、生存期間が5.2ヵ月から8.0ヵ月に延長(p=0.005)。
・無増悪生存期間はペンブロリズマブ治療を受けた人で2.1ヵ月、化学療法を受けた人で3.3ヵ月と差はなかった。
・ペンブロリズマブ治療を受けることでRasponse rateが11.4%から21.1%に向上(p=0.001)。ペンブロリズマブ治療の効果は、奏功した半数以上の人が追跡期間内において持続していた。
・グレード3以上の有害事象は、ペンブロリズマブ治療を受けた人の15.0%が経験した。化学療法を受けた人は49.4%が経験した。
T : 国際共同非盲検第3相試験 ・RCT・29か国(日本なし)
みなさんからの意見
・タバコ歴によって予後改善が興味深い
・4ヶ月までプラチナ化学療法の方がOS上回り、その後大きく逆転する結果は、未知のバイオマーカー存在が示唆される