重症度が同等と思われるある感染症患者を2群に分けて、死亡率と費用を算出した発表。
発表者 考察 :
- 死亡率同等で安価のため、費用効果良い
私の意見 :
- 有意差ないがA薬の方が死亡率高い傾向がある時点で、倫理的にも費用効果する必要性なし。
私の意見 デザイン :
- 分析の視点が示されていない
- 増分費用効果が算出されていない
- サンプルサイズ根拠がない。特に死亡率扱うのであれば、絶対条件。
- 費用は入院費など含めるべき。抗菌薬費用は入院費総額のうちほんの一部。集中医療受けたかどうかなどで、大きく変わります。
あなたなら、どちらのお薬がいいですか?
- 2万円安いが、死亡率5%増すかも
- 2万円高いが、死亡率5%減らすかも
また、先日に費用効果論文が査読誌アクセプトされました。共同著者で、薬剤師の視点から研究デザインのブラシュアップや参考論文の抽出と比較など担当しました。
ただし、責任著者の医学部某教授と費用効果の考察意見が合わず、こちらも長々ディスカッションとなりました。
増分費用効果や分析の視点の記載の追記を強く希望していましたが、査読意見が来たら対応となり…結局、査読意見も医療経済的なテクニカル指摘なく、アクセプトとなりました。
以上より、費用効果研究の方法論が成熟していない事が示唆されました。しかし、需要は高まってきてます。
費用効果研究は難しいですが、意思決定者へのインパクト大です。今後の財的批判に対抗できうる研究です。日々の薬剤師業務の費用効果研究に取り組んで頂きたいです。