さまよう薬剤師のブログ

学位を持っても、センスのない、感染制御専門薬剤師のブログ.  I have Ph.D. but less sense ID pharmacist.

実習生と「肺炎」を再び考える

いままでもブログで記載しましたが、再度「肺炎」です。

 

今回は医師とともに、薬学生も肺炎を悩んでもらっています。

せっかくなので様々な、教科書も読み比べてもらいました。

 

レジデントのための感染症診療マニュアル第3版より引用

レジデントのための感染症診療マニュアル 第3版

レジデントのための感染症診療マニュアル 第3版


p523 

肺炎治療は、何よりも重要なことは、速やかで適切な抗菌薬開始と全身管理である。脱水、電解質異常の補正を行う。

重症であることと抗菌薬の選択は直接関係はない

p524

市中肺炎

治療期間は「解熱後、3日程度

さらに肺炎球菌で菌血症を伴う場合は10~14日

黄色ブドウ球菌や腸内細菌科による壊死性肺炎では2週間以上を目安

 

レジデントノート  2015 vol.17 No1. 4月号 より引用


P26

1. 感染症には必ず「敵」が存在する

2. 患者背景や対象臓器が決まれば、想定すべき敵は自ずと決まる

3. 常にpitfallに気を配る

4. トライアングルに基づき、適切な抗菌薬を選択する

5. 抗菌薬以外の適切な治療法や、疾患の予防を行う 

P32

1.  市中肺炎での非定型菌は追加でカバーする。

2.  高齢者の肺炎は併存症

3.  いつも結核を忘れない

 

増刊レジデントノート  2014 vol.16 No2. より引用


P22

市中肺炎のゲシュタルト

先行する上気道感染症の後に、

 発熱・黄色痰・その他呼吸症状が出現し、

 基礎疾患や疫学的リスクがあり、

 胸部聴診でcracklesが聞こえ、

 喀痰グラム染色で多核白血球 (PMN) と細菌が見えて、

 胸部x線で浸潤影があり、

 採血でも炎症反応などがある。

P26

アルコール多飲 : 肺炎球菌、クレブシエラ、嫌気性菌など

COPD/喫煙 : 肺炎球菌、H. influenzae、モラクセラ、緑膿菌、レジオネラなど

インフルエンザ後 : インフルエンザウイルス、肺炎球菌、S. aureusなど

器質的肺疾患(気管支拡張症など): 緑膿菌、S.aureusなど

P28

治療効果の判定は毎日患者のベッドサイドに足を運ぶことで行う。

咳や痰は改善しているか?解熱しているか?呼吸数はどうか?

酸素投与量は減っているか?cracklesは改善しているか?

そして、グラム染色で細菌が消えているかをみることが必須である。

 

ワシントンマニュアル 第13版

ワシントンマニュアル 第13版

ワシントンマニュアル 第13版


p505 

肺炎球菌による重症な市中肺炎に対して、ペニシリンG高濃度で肺組織に届くので、有用である

当院も、やっとペニシリンGを採用にしたので、何とか使いこなしたいですね。

 

あなたも名医!侮れない肺炎に立ち向かう31の方法

p106

治らない肺炎の分類

1 「治っているようだけれど今ひとつ改善が乏しい

  自然経過

2 「胸水が増える一方/陰影が消えない

  肺炎随伴性胸水、膿胸、肺化膿症

3 「肺炎の影自体がどんどん増悪する

  結核、真菌、耐性菌など

4 「自然経過や肺炎単独だけでは説明できない

  感染症以外の病変 : 心不全心筋梗塞、腎不全、肺塞栓症、ARDSなど

5 「発熱だけが続く

  薬剤熱、偽膜性腸炎など

6 「また肺炎

  再発性肺炎

 

学生は、肺炎治療の難しさを感じたようです。

引き続き、勉強すると言ってくれたので、少し頼もしく見えました。